interview
vol 03.

リアンメディ・おおあみ
訪問看護ステーション
訪問リハビリテーション
木原さん、宇城さん

木原さん
宇城さん
昌健会に入ったきっかけを教えてください

木原:もともと在宅医療に興味があり、生まれ育った地元の方々との交流を通して地域貢献できればと思い、この地域で働きたいと考えていました。私の祖母や曾祖母の年代の方たちにとっては、他人にお世話をされることにまだまだ抵抗感があり、私が地元で働くことでそのような気持ちが少しでも解消できればと思いました。
宇城:私は以前、病院勤務をしていましたが、当初から訪問リハビリで働きたいと考えていました。ちょうど私の父と祖母が昌健会の訪問看護を利用して、そのときの対応がとても良かったことが入職の決め手になりました。
木原:病院と訪問リハビリでは違いもたくさんあります。訪問リハビリでは病院のような設備がなく、ご利用者さんのご自宅でリハビリをするので、まずは環境を調えて心の準備をしていただくところから始めます。
宇城:ご利用者さんのご自宅に伺うので、最初は緊張もありましたが、やりやすさも感じました。どのような生活をされているのかを実際に見ることができるので、ご利用者さんの生活に沿った提案をしやすいですね。
木原:病院のリハビリではできた動きでも、ご自宅ではできないこともあるので、実際に生活場面で動きを確認して提案ができます。それは訪問リハビリの醍醐味です。
二人の勤務内容について具体的に教えてください
木原:私は理学療法士として、主に身体の動きを中心にリハビリを行います。その日によってご利用者さんの状態は変わりますので、まずは状態観察を行い、起き上がりや歩行など家の中での動作練習を行います。寝たきりの方であれば寝返りの練習や楽に休める姿勢の提案、ご家族へは介助の方法や悩み相談などを行っています。
宇城:私は言語聴覚士として、嚥下や発声など主に首から上のリハビリを行います。特に嚥下に関するリハビリが多いですね。食べていない方には、食べる方法がないかを検討したり、肺炎予防のために口腔ケアや体操を行います。食べている方には、より安全で食べやすい食事や姿勢、介助方法などを提案します。
木原:「おおあみの里」では神経難病の患者さんの受け入れも多く、言語聴覚士のサポートがとても重要になります。ご利用者さんの中には、もう何年も食べていなかった方が食べられるようになるなど、リハビリで劇的に変わったケースもありました。
宇城:食べることは脳の働きにも関わる大事な機能なので、少しずつでも効果が出ているのを実感できると、私もとても嬉しいです。

教育や研修体制について教えてください

木原:はじめて在宅医療に携わるスタッフには、一定期間をマンツーマンで指導するプリセプター制をとっています。1カ月~3カ月のカリキュラムを決めて、それに沿って仕事を伝えていきます。何か困ったことがあれば「振り返りノート」に記入し、それをもとに相談に乗るようにしています。
宇城:最初は訪問診療の先生やリハビリスタッフに同行させてもらえたので、在宅が初めてでも安心でした。ご自宅に伺う流れや他職種への連絡の取り方など、動き方の基本を教えてもらいました。
木原:ほとんどのスタッフは訪問リハビリが未経験だから、研修を通して学べるようにしています。特に神経難病をはじめとする重症疾患の方への対応は、慣れないことも多くあると思います。働き方だけでなく、介入後もフォローをしながら進めていきます。
宇城:重症疾患の方を多く担当する機会があるのは、私たちリハビリスタッフにとっても貴重な経験ですよね。
木原:そうですね。特に神経難病の方は症状が進行するので、その場面に合ったリハビリや今後を見通したツールの提案が必要です。そうした状態の変化や環境に合わせた提案をするスキルは確実に身に付くと思います。
宇城:訪問リハビリは、患者さんの生活に寄り添ったリハビリを提供したいスタッフにとって、楽しくやりがいを持てる仕事だと思います。勤務時間もコントロールしやすいので、働きやすいのも良いところですね。
訪問リハビリでやりがいを感じるのはどのようなときですか?
宇城:少しずつ良くなるお手伝いができるのはもちろん嬉しいのですが、私たちの仕事は終末期に関わるため、お看取りをすることもあります。ある方が亡くなられた時に、その娘さんから「父を大切にしてくれてありがとうございました」と言っていただけました。すごく印象的で嬉しい言葉でした。
木原:ご家族から感謝してもらえるのは嬉しいです。私は、ご利用者さんから「あなたのリハビリが生きがいです」と言われ、それは今でも心に残っています。寝たきりの状態から、リハビリを行うことで徐々に良くなられ、ご家族と一緒にご飯を食べられるようになるまで回復された方でした。
宇城:またご家族との時間を持てるようになって、リハビリが希望になっていたのですね。私も専門的な知識をより高めて、もっとお役に立てるようになりたいです。今は、外国人のご利用者さんにも対応できるように英語の勉強を始めています。
木原:希望をすれば研修会にも参加できますし、自分自身でスキルアップができる環境です。私たちの活動によってこの地域においても在宅医療・訪問リハビリが普及し、少しでも困っている方のお手伝いができればと考えています。
